お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

夢の中での示現 (The Appearance in a Dream) 

 山をいでて、六角堂に百日こもらせ給いて 恵信尼消息』比叡山を下りて、京都の頂法寺、六角堂に百日間、お籠もりをされました)                   

 六角堂というのは、京都にある頂法寺のことで、聖徳太子によって開設されたといわれているお寺です。                                  

 親鸞は、日本天台宗の本山であった比叡山に、二十年という長期にわたって滞在し、そこで一所懸命に勉学し修行もしたのですが、どうしても納得することができなかったのでしょう。そこで、その“山”を下りて、日ごろ尊敬していた聖徳太子が建立したと伝えられるこの六角堂に百日の間籠もって、何とかして自分のこれからの生きかたについての指針を与えられたいものだと願ったのではないでしょうか。                 

  (略)                                    

 その結果、親鸞は夢の中で示現を受け、やがて法然のもとへと参ずることになるのですから、この百日の参籠は、彼にとっては大きな意味を持っています。浄土教の流れにとりましても、極めて重要な意味を持ってくるできごとだったのです。             

     【 『親鸞の人生訓』  花山 勝友  PHP   】            

 

 『蓮如上人御一代記聞書(現代語版)』(二五六)には、夢についてこのような記述があります。「夢というものは概して妄想であるが、仏や菩薩の化身であるお方は、夢に姿をあらわして教え導くということがある。だからなおさらのこと、このような夢の中での尊いお言葉を書き記しておくのである」。同書には、他にも夢の記述が見られます。        

 親鸞聖人が六角堂に百日間参籠され時、聖徳太子が夢の中に示現されたのは、正夢だったのですね。これが転機となり、法然上人のもとへ参ずることになられたとは、「浄土教の流れには極めて重要なできごとだったのです( It was the extremely important event in the flow of the Pure Land teaching.)」。

 仏や菩薩方は、夢の中にまで現れて済度されている。懸命さを感じ、力強いこと、この上なしです。