自分の気持ちと仲良くしよう ( Let’s Be Friendly with Our 0wn Feelings )
一物不将来(いちもつふしょうらい)/ 従容録(しょうようろく)
趙州和尚は「すべてを捨て何一つ持たない(一物不将来)身となれば、あとは何を修行すればいいのですか」と、厳陽(ごんよう)尊者に尋ねられて「捨ててしまえ」と答えています。
「何を捨てたらいいんでしょう」という気持ちを捨てていないじゃないか。趙州和尚は、そう言いたかったのでしょう。
同じように「何事にもこだわらない」、と考えるとき、私たちは「こだわらないこと」にこだわってしまいます。
こだわらずに生きるのと、鈍感に生きることは違います。
悔しい気持ちがあるのに「こだわっちゃいけない」と、自分の気持ちを否定することでもありません。
悲しくて泣きたいときには思いっきり泣く。笑いたいときには思いっきり笑う、悩んでいるときは、しっかり悩む。気持ちを否定するのではなく、そんな自分も肯定する。それが、こだわらないということです。
【 『老いを生きる 仏教の言葉100』 ひろ さちや[監修] 成美堂出版 】
人間の感情である喜び、怒り、悲しみ、楽しみという喜怒哀楽の気持ちを否定するのではなく、そのままの自分の気持ちを受け入れて、仲良くするよう心掛けたいものです。
「心が整理されるのではないかと、期待を込めて ( I do expect that my heart can be put in order. )」。