一子のごとく憐念す( To Have Compassion for Just Like an Only Child )
『浄土和讃』の勢至讃、(一一四)には、次の歌があります。
超日月光(阿弥陀仏の十二光の一つ)この身には
念仏三昧(ざんまい)おしえしむ
一子のごとく憐念(れんねん)す 『浄土真宗聖典 註釈版』P.577
如来方は衆生を一子のごとく憐念す、つまり、私たち一人一人を平等に、ひとり子のように深くあわれみ、大切にして下さっているのです。
ところで、菩薩(さとりを求める者)のさとりの位には五十二位あるといわれます。十信(じっしん)・十住(じゅうじゅう)・十行(じゅうぎょう)・十回向(じゅうえこう)・十地(じゅうじ)・等覚(とうがく)・妙覚の五十二位です。
この位に関して、「一子地」という位のあることを知りました。この位は、十地の第一の位であり、歓喜地、初地とも言われます。
菩薩の一子をあわれまれる境地は、親の慈愛そのものでしょう。( A Bodhisattva’s
state will be parents’ graciousness itself. )
自ずと感謝の気持ちが湧いてきます。