願いに生きる ( We live for the Wish )
蓮如さまがご病気のとき、教えられた。「私は何も思い残すことはない。私に都合の悪いことなど一つもないのだ。だから今、息絶えても、何も後悔しない。ただ子供たちや、まわりの人たちの中に、まだ阿弥陀如来の眼で生活していない者がいるのが悲しい。世間には、この世に思い残すことがあれば、死後の黄泉の国への旅の障害になる、という言葉があるが、私にはそのような恐れは少しもない。ただ残る人たちが、阿弥陀如来の明るい眼と無縁になることだけが悲しいのだ」と。
【 現代語訳『 蓮如上人御一代記聞書 』 高松信英 法蔵館 】
蓮如上人は、ひとえに、まだ救われていない人達が、阿弥陀如来の明るい眼とめぐりあうことを願っておられます。また、蓮如上人が、阿弥陀如来の明るい眼と無縁になることだけが悲しいという、つまり、悲しみを避(さ)けたいという心からの願いが伝わってくるようです。