To Get Out(抜け出す)
You can check out any time you like, but you can never leave
イーグルス
「チェックアウトはいつでもできるが、ここを去ることはついにできない」。
米国のロックバンドの代表曲「ホテル・カリフォルニア」から。1960年代末のカウンターカルチャーの高揚を虚(むな)しく懐かしむだけのこの場所からは誰も抜け出せない。一度入ったら出られなくなる現象は至るところにある。最近では、金融緩和政策の出口が見えない状況をさして「ホテル・カリフォルニア化」と言うらしい。(朝日新聞コラム「折々のことば」鷲田清一 より)
一度入ったら(なかなか)抜け出せない現象に、上記にあるように、経済面では金融緩和政策があります。あるいは、その時々におけるデフレ、インフレなどの経済状況も然りです。 また個人的なものとしては、薬物、アルコール、たばこ、ゲーム、ギャンブル、買い物、仕事、生活習慣、ルール、対人関係、生活の場等々、いろいろ挙げられるでしょう。
このように、抜け出せないものは「至るところ」にありますが、究極的には「この世」ではないかと考えます。私たちは、生まれた時にこの世に入ったのです。気がついたらこの世にいたのであって、好むと好まざるとにかかわらずこの世を出て行くときは、死ぬ時以外にありません。しかし仏教では、六道輪廻と教えられていますから、あの世でもまた六道を流転し続けなければなりません。結果、果てしない迷いの世界から抜け出すことができないのです。
ところがただ一つ、迷界から抜け出す方法が仏教で教えられています。この世に生きている間に仏教を聞き、阿弥陀仏の本願に今、救われることです。
唯一、六道輪廻の迷界を抜け出す方法が仏教に教えられているとは、心底、ほっとするではありませんか。