お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

The Only Thing(ただ一つのもの)

 さてこの一枚起請文で法然が言い現わしたい積極的主張はただ、「念仏申せば必ず極楽へ往生させて貰えると信じて念仏申す」という事だけである。その他はそれと紛れることを弁別して拒斥したのに過ぎない。すなわち法然にとって「なくてはならないもの」はただ「み仏の誓をたのんでそのみ名を唱える」という事のみである。
( That is to say, what is indispensable for Saint Honen is the only thing that he is
enlightened by Amida Buddha's Vow and says the Name. ) 比叡山での二十幾年間の研学も、思索も、さらに久しい生涯のさまざまの生活の体験も、結局この単純極まる「唱名」の一事に煮つまってしまったのである。この外には何も要らない。まことに至心帰命とはかくのごとき心境である。この何もかも要らなくなる、放下するという心の有様が仏法の要訣である。むつかしい理窟を捏ねまわすような態度とはおよそ反対の心境である。                
     【 「法然親鸞の信仰(上)」 倉田百三 】

 
 文中の「『なくてはならないもの』はただ『み仏の誓をたのんでそのみ名を唱える』という事のみである」にあるように、法然上人が言われるただ一つの大事な事とは「み仏の誓をたのんで・・」と言われているように、「信心を獲て・・」称名することです。「信心を獲て・・」を抜かして、ただ称名だけが大事であると言っておられるのではないことに注意したいものです。                                       
【一枚起請文】(百科事典マイペディア)
1212年法然が臨終に弟子源智の請いによって授けたものとされる。わずか1枚の紙に書かれた200字余りの短いもので、この称がある。往生極楽には南無阿弥陀仏と唱えるほかにない、一切はその中におさまる、と説く。