Let's Go Back Home [お家(うち)へ帰ろう]
明治四十年、小学一年生に入学当時、担任の先生から教えられた雀の童謡に、
雀、雀、今日もまた
くらい道をただ一人
林の奥の竹やぶの
さみしいところへ帰るのか
いいえ、いいえ、あそこには
父様、母様まっている
たのしいお内(うち)がありまする
さようなら、みなさん、チュウチュウチュウ
とありました。今も忘れられません。人生の終わりの夕方に「どこへ行く」と問われ「たのしいお内へかえる」と答えられる人生を歩めと教えられていたと味わって、善導大師の「本家にかえれ」の教示を趣深く味わう今日このごろであります。
【 「『安心決定鈔』法話」 瓜生津隆雄 本願寺出版 】
上記の文に入るまでに、瓜生津師は『安心決定鈔』の「まことに一人なりともかかる不思議の願行を信ずることあらば、まことに仏恩を報ずるになるべし」という文を挙げ、これを受けて、善導大師の『定善義』の「もし一人なりとも苦をすてて生死を出づれば、これを真に仏恩を報ずるというなり」と言う文を提示した後、私たちにこのように促しておられます。
「われらは獲信報恩の道に帰し、その初めを知らない流転の他郷の旅をやめて、なつかしい心の郷里である弥陀の本国に帰ろうではありませんか」。
人生の終わりの夕暮れに、帰るべき温かい家があるとは、なんと楽しいことでしょう。上記の雀の童謡に、ほっこりとした温かみと安らぎを感じます。
どこへ行くのですか
Where are you going?
楽しいお家へ帰ります
I'm going back to my sweet home.