お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

Walking along the Oirase Mountain Stream(奥入瀬渓流散策)

 先日、青森へ行ったことで、長年憧れていた奥入瀬渓流の散策が実現しました。
 まず感動したことは、真夏というのに春の雪解けを思わせる水量の豊かさです。渓流の流れ下る様子は、どの場所一つとっても同じ風景は一つとしてありません。大きな岩を包み込み、すべるように滑らかに流れる早瀬。急流が激しく岩にぶつかり水しぶきを上げて流れる急湍。流れがゆったりと広がり、ひたひたと遊歩道の近くまで押し寄せ、思わず手をさしのべて水の感触を確かめたくなるような浅瀬等….いろいろです。             
 この渓流と遊歩道を覆うように林立するのは、大中小の太さのスラリと伸びた高木の木立です。あちこちで‘ブナ’の表示がつけられた木々を目にしました。人里は30度を超える暑さなのに、渓流沿いの小径は、緑したたる木々の間からそそぐ木洩れ日がかすかにゆれて、空気は肌にひんやりと涼しく、無帽で半袖の装いが似合う空間でした。        
 またその木立の合間から見えてくるのは、川の両側面に点在する切り立った岸壁を形成する巨岩です。そして渓流に沿って高低さまざまの十数個もの滝が、それら巨岩の岩肌を滑り落ちているのです。中にはまるで一枚の白い布のように見えるので白布の滝と呼ばれ、まさにその名に負うものもありました。    
 優しさ、のどかさ、温かさ、激しさ、力強さ、永遠性等….自然の力が醸し出すあらゆる姿が、渓流一帯に凝縮されているかのような雰囲気に気圧される感がしました。       
 そのためか、散策中何度か頭をよぎったのは、「山川草木 悉有仏性」(経典)という仏語と、「岩もあり 木の根もあれど さらさらと たださらさらと 水の流るる」(甲斐和里子)という詠です。大自然の根源にある力強い生命力が、ビンビン伝わってくるようでした。


山川草木 悉有仏性                          
Mountains, rivers, plants, and trees all have Buddha-nature.


岩もあり 木の根もあれど さらさらと たださらさらと 水の流るる    
Regardless of the existence
Of rocks and the roots of trees,
Water runs murmurously,
Only flows smoothly.



             白布の滝(奥入瀬渓流)  撮影日:8月11日