赤尾の道宗が、蓮如さまに「『御文』をいただきたい」と申し上げると、蓮如さまは、「書物は紛失することがあるから、心に阿弥陀如来の明るい眼をいただきなさい。絶対に紛失することがないから」と、言われた。だがそれでも蓮如さまは、道宗に、翌年もまた『御文』を下さるのであった。
【 現代語訳 『 蓮如上人御一代記聞書 』 高松信英 法蔵館 】
蓮如上人は赤尾の道宗に、心に阿弥陀如来の明るい眼をいただきなさいと言われながら、それでも道宗に、翌年もまた『御文』を下さったのです。二人は、素晴らしい師弟関係にあることが分かります。