すべてはチャンスと考える ( Think Everything Is Our Chance )
流刑さらにうらみとすべからず / 法然
世間的な価値観からすれば、お金がないのは不幸なことかもしれません。
しかし、お金にまつわるやっかいごとから自由になれるという意味では、必ずしも悪いことではありません。そう考えることもできます。つまり人生の幸不幸は、どんな物差しで見るかによって、大きく変わってくるともいえるでしょう。
七五歳の法然を襲ったのは土佐(実際には讃岐)への流刑でした。この年齢になってなぜこんな目に、と普通なら思うところですが、法然は「これも地方に念仏を広めるいい機会だ」と誰かを怨むこともなく、いまを生きることに徹しました。
もちろん、誰にでもできることではありません。
ただ、視点を変えることを知っておくだけでも、老いの時間は変わっていきます。逆境は「世間の常識」から抜け出すことで、恵みの時間へと変わってくれるのです。
【 『老いを生きる 仏教の言葉100』 ひろ さちや[監修] 】
75歳にして、讃岐へ流刑に処せられた法然上人でしたが、誰を怨むことなく「地方に念仏を広めるいい機会だ」と捉えられました。
逆境にあっても、視点を変えること、つまり、「すべてはチャンスと考える」ことの大切さを身を以て実践されたのです。
※「流刑さらにうらみとすべからず( I should never have a grudge against being exiled.)」