お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

死にたくない ( We Never Want to Die )

 『歎異抄』九条で、親鸞聖人はこのように仰っています。「久遠劫よりいままで流転せる苦悩の旧里(きゅうり)は捨てがたく、いまだ生まれざる安養浄土は恋しからず候こと・・・」(意味;果てしなく遠い昔からこれまで生まれ変わり死に変わりしてきた、苦悩に満ちたこの迷いの世界は捨てがたく、まだ生まれたことのない安らかな浄土へも早く行きたいとも思わない・・・)

 当節、世の中は新型コロナウイルスの蔓延で危機的状況にあり、ワクチン接種が急ピッチで進められています。ごく最近の国内の死者は1万2700人余、世界の死者は349万8000人余、との報道がありました。

 しかしながら親鸞聖人は、たとえ現在のようなコロナ禍や死者数の増加など(苦悩に満ちた世でも)強く心を引かれ、捨てがたいと言われるでしょう。また、まだ行ったことのない浄土へも早く行きたいとも思わないと仰しゃるでしょう。それは、ひとえに「死にたくない」という気持ちがあるからです。この聖人の気持ちは、他ならず万人の気持ちと同じです。

 ところで、親鸞聖人はどうして「死にたくない」と言われたのでしょう。その理由は、全て私たち凡夫の煩悩の所為(= しわざ)だと承知しておられたからです。つまり、人間が持つ煩悩のせいだからなのです。