こわい話
ある日の孫(A)と私(B)の会話です。
(A): Grandma, be here by me, will you? I'm scared.
おばあちゃん、怖いからそばにいてね。
(B): What are you afraid of?
何が怖いの。
(A): Because we may be haunted by a ghost.
だって、おばけが出るかもしれないから。
(B): A ghost? My place cannot be haunted by a ghost.
おばけ? そんなもん、おばあちゃんのところにはいないよ。
(A): Why?
どうして?
(B): You know what? When a ghost sees me, it must run away because the ghost is
scared by your grandma.
それはね、おばあちゃんを見たら、おばけの方が怖がって逃げてしまうから。
(A): ……………………………………………….
ひときわ暑かった今年の夏、テレビでは涼を呼ぶという意図からでしょうか、「本当にあった怖い話」というタイトルで、何度か怪談を放送していました。今小学四年の孫は怖いもの見たさで熱心に見ていたようです。おまけに同じ題名の本も何冊か読んでいました。上の会話はそんな最中のものです。残念ながら孫の最後のセリフは、次の話題に移ったものですから聞いていないのですが、「本当にその通りだね」と言っていたらちょっと悲しいですね。
残念ながらといいますか、いや実際は幸運にも、これまで幽霊というものにはお目にかかっていません。もしも実際に出くわしたら、きっと最初は度肝を抜かれるでしょうね。でもその後は案外落ち着いていられるのではないかと思えるのです。福井県の吉崎御坊に伝わる「嫁脅しの肉付きの面」の話の中で、嫁が恐ろしい鬼の面をつけた姑に脅された時、「食まば食め 喰らはば喰らへ金剛の 他力の信は よもや食むまじ」、と詠んだとされる歌がありますが、その嫁と同じ度胸を据えれば、やり過ごせるのではないかな、と想像しているからです。
ここで孫に言っておきたいことを一言。
「Tちゃん、いつかおばあちゃんの想像していること、わかってくれたら嬉しいな」