お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

Never Nurse Delusions(妄想するなかれ)

いかりをすて
たかぶりを離れ
ありとある結(まつわり)をこえよ
かかる人に
すべてのくるしみはきたらず

           ____ダンマパダ(「発句経」)
 怒りを捨て、慢心を取り除き、あらゆるとらわれを超越するには、どうすればいいのでしょう。私はブッダの冒頭の言葉から、中国唐代の無業(むごう)禅師を思い出します。無業禅師は誰が何を尋ねても、ただ「莫妄想(まくもうぞう)」(妄想する莫(な)かれ)と答えたといわれています。
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 私たちは常に妄想を抱いています。妄想というのは、あれこれ考えてもわからないことを考えたり、すんでしまってどうにもならないことをくよくよ思うことをいいます。
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 「あの時にああすればよかった」「あれがあったらなあ」などと、過ぎ去ってもう変えられない過去のことをじくじくと悩むより、今やるべきことに打ち込むのが大切です。                                      【 「ブッダの一言」 高田明和  中経の文庫  】


 筆者はここで、あらゆる苦しみを超越するための言葉として、「莫妄想」という言葉をとりあげ、「妄想を抱かないようにしなさい」と忠告しています。そして具体的に妄想を取り除くにはどうすればよいか、ということについて、「今やっていることに心を集中してほかのことを考えない」ことだと述べています。更にその「今」に集中するための言葉として、この書物の中で江戸時代の禅僧、良寛の言った言葉、「花は無心にして蝶を招き、蝶は無心にして花を尋ねる」を挙げています。
 尚、この本には「イヤな思いがスーッと消える」と副題がついているのですが、私はこれらの言葉は、妄想を抑えるには最も効果的な言葉ではないかと思っています。


妄想する莫れ
Never nurse delusions.
花は無心にして蝶を招き、蝶は無心にして花を尋ねる
A flower innocently invites a butterfly.
A butterfly innocently looks for a flower.