The Workings of Amida Buddha Alone(弥陀の独り働き)
「タノベバタスカル」六字の法は、正覚の一念に成就したのであって、現在の生においてタノム一念の機が成就せずしてはお助けにはあずからないのであります。ただタノム心もわれとおこるものではありません。たのませてたすける如来の大悲が、機の上にあらわれて往生の大事を決定せしめるのであります。
たのませてたのまれ給う弥陀なれば
たのむこころもわれとおこらず
と、その法悦を詠じた真宗人の心境も、この境地を示したものと思われます。(途中省略)如来の真実大悲の心が廻施せられて、本来、往生の資格のなかったものが往生の資格を得る身と定められるのです。弥陀の廻向のおたすけなくては衆生は助からないのであります。
【 「『安心決定鈔』法話」 瓜生津隆雄著 本願寺出版 】
著者の瓜生津師は言われます。「タノム心もわれとおこるものではありません。たのませてたすける如来の大悲が….. 」。このことから、タノム心(あてにする心)も私たちが起こすのではなく、私たちに、あてにするように仕向けて下さり、その上で助けて下さるのだということが分かります。ですから私たちの自力は一切除かれ、救いはすべて如来の独り働きによって完遂されることが明らかです。
たのませてたのまれ給う弥陀なれば
たのむこころもわれとおこらず
Since Amida Tathagata let us rely on him and then saves us,
Our mind of reliance on him does not rise by ourselves.