意義ある人生 ( A Significant Life )(2)
生死(しょうじ)の苦界ほとりなし
ひさしくしづめるわれらをば
弥陀弘誓(ぐぜい)のふねのみぞ
のせてかならずわたしける
と述べられています。これは、七高僧のお一人、龍樹菩薩を讃えられたものの一首で、生まれて死んでいくという苦しみの海には、ほとりがない、限りがない、長い間、永遠にといいましょうか、迷いの世界に沈んでいる私たちを、阿弥陀如来のご本願の船のみが、乗せて渡してくださる、とおっしゃっています。自分自身のほんとうの姿を十分に知ることができない私ですけれども、お念仏をいただくことによって、自分の姿を知らせていただき、そして、また、それを通して、本当の人生を歩ませていただくことができる、と味わうことであります。
【 『すくいとよろこび』 大谷 光真 本願寺出版社 】
親鸞聖人は、この娑婆を「生死の苦海」と言われました。真実のない迷いの世界です。どこまで行っても苦しみの海から抜け出せない私たちを、阿弥陀如来の本願の船のみが乗せて渡して下さるのだと教えて下さいます。
「如来の願船に乗せられて浄土へ渡る人生」ですもの、正に「意義ある人生」であります。
生死の苦界ほとりなし
The ocean of birth-and-death, of painful of existence, has no land;
ひさしくしづめるわれらをば 弥陀弘誓のふねのみぞ
Only by the ship of Amida’s universal Vow
Can we, who have long been drowning,
のせてかならずわたしける
Unfailingly be brought across it.(『英訳 親鸞聖人著作集』「高僧和讃」より)