お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

The Present Place(現在地)

 町なかや駅には「案内板」があって、町の様子が書かれています。でも大切な目印が無くては、それは単なる絵図でしかありません。           
 その目印は、「現在地」という表示です。今、自分のいるここの現在地が明らかにならなければ、目的地に向かってどちらの方向にたどればいいのかわかりませんし、目印になる周りの状況が確認できません。             
 釈尊がお説きになられた教え(仏教)に出遇い、阿弥陀さまの智慧(仏智)に照らされてお慈悲の中に生きることは、そのままが「人間界の世界・私のすがた」のことが明らかに知らされる「ご縁」(仏縁)でもあります。      
 この世界が「無明・娑婆・難度海の世界」であること、親鸞さまが「罪悪深重の凡夫」と受けとめられた「私のすがた」は、そのままが、お慈悲の中にある「現在地」を知らされていることでありましょう。(井上恒夫 鹿児島県・願船寺住職)
   【 『やわらか法話(1)』  本願寺出版社  】          
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 私たちが現在居る世界、娑婆は、生きてゆくことが難しい難度海の世界であるといわれます。この難度の海を無事に渡りきり、そして浄土へ行き着くために仏教があります。   

 現在地は難度海であり、ここに住む私たちは罪悪深重の凡夫であると親鸞聖人は教えられます。この現在地のすがた、そしてここに生きる私のすがたがはっきりと知らされることにより、この場所から、そして現在の苦しみから抜け出したいと思う心が湧いてきます。だから、まず現在地がどういう所なのかを知ることが大事だと井上師は言われます。    


 幸いにも、現在地で仏縁に恵まれた後の目的地は、すでに浄土と定まっています。すべてが阿弥陀さまによって計らわれていることですから、私たちは阿弥陀さまのお導きによって、この難度海をも心安く歩んで往くことができるのです。
( Fortunately, our destination, after we have got blessed with our relationship with
Buddha in the present place, has already been determined to be the Pure Land.
Everything is arranged by Amida Buddha’s great compassion, and so we can go
forward without anxiety by being led through Amida Buddha even in this ocean
difficult to cross. )