Even If an Age Changes(時代が変わっても)
御文章二帖目第十二通に、蓮如上人は、「それ、人間の五十年をかんがへみるに…… 」から始めて、人々が一巻の聖教を読むこともなく、怠惰に日々を過ごす様子を嘆かれ、「このゆえに今日今時よりして、不法懈怠にあらんひとびとは、いよいよ信心を決定して真実報土の往生をとげんとおもはんひとこそ、まことにその身の徳ともなるべし」と書かれています。
蓮如上人が在世中の、約600年前の室町時代には、人々の平均寿命はおよそ50歳だったことが窺われます。しかし現在の日本人の平均寿命は約84歳です。100歳を超える人も多く、当時から見ればずいぶん長寿になったものです。その上、世の中の変化や進歩が著しく、当時と比較すると隔世の感があります。
でも、仏法の観点から見ますと、人々の仏法に対する熱意は当時とそれほど変わっていませんし、むしろ衰退しているようで、憂慮されるところです。時代が変わって文明の世になっても、人の幸福度はそれに比例して増しているわけではありません。
仏法の教えがだんだん勢いをなくしている現在こそ、真の幸せを得るためには、聞法が一層求められると思います。( It is at the present when the Buddhist teaching
has gradually lost its impetus that we are more requested to hear that teaching
in order to get true happiness.)