いのちは預かりもの ( Life Is in Our Charge )
日本における自殺者の数は、三万人を切ったとはいえ、依然として高い水準で推移しています。自ら死を選ぶ人は、人とのつながりを実感することができなかったり、孤立してしまっていたりするのかもしれません。
(略)
仏教の考え方では、自分の「いのち」は、自分がつくったものでもなければ、自分の私的な所有物でもありません。たまたま先祖代々から授かった、恵まれた「いのち」であり、いわば預かりものです。自分の「いのち」は網の目のようにいろいろな「いのち」とつながっており、周りの「いのち」に支えられてこの世に存在しているのです。ですから、「自分のいのちなのだから、自分の勝手にしてよい」とは決して言えないのです。
【 『人生は価値ある一瞬(ひととき)』 大谷光真 】
「自分の命は自分で作ったものでも、自分の所有物でもありません」。前にも何度か書いていますが、命は仏さまから頂いたものであり、いわば仏さまからの預かりものであります。
換言しますと、私たちは仏さまの命(の一部)を生きているのです。
ここに、命を粗末にしてはならない理由があります。( In other words, we live part of
Amida Buddha’s life. This is why we should not make light of our lives. )
ですから、自殺してはいけない理由も同様です。