「いい加減」が、いい人生をつくる ( ‘Being Moderate in Everything’ Gives Birth to Good Life )
中道 / 仏教語
料理は音楽にも似ています。甘さが勝っても、塩辛さが勝っても、おいしくありません。「いい塩梅」が大切なのですね。
頑張りすぎることは、この塩梅を無視して料理に塩を入れるようなもの。それではたのしむこともできませんし、身体もこわしてしまいます。
世間を見渡せば「頑張れ、頑張れ」の大合唱ですが、振り回される必要はありません。自分がいまできることをやる。それがいちばん「いい加減」なのです。
もともと人生とは、思い通りにいかないもの。
老いることからも、病気になることからも、死ぬことからも逃げ出すことはできません。
苦しみを抱えて生きるのが、私たちの本質。つまり、人生には塩で下味がついているのです。いま以上に頑張る必要はありません。
世間を気にせず、明日を気にせず、いい加減に生きましょう。頑張ることより、楽しむ時間を使うことが、喜びを生んでくれるのです。
【 『老いを生きる 仏教の言葉100』 ひろ さちや[監修] 成美堂出版 】
仏教で言う「いい加減」の意味は、「良い程あい。適当。ほどほど」です。『明鏡国語辞典』また、仏教語の「中道」という意味は、「[仏] 二つの極端(二辺)すなわち有・無・断・常などの対立した世界観を超越した正しい宗教的立場。また、快楽主義と苦行主義の両極端を離れること」です。『広辞苑』
※ いい加減に生きたいものです ( I’d like to live a moderate life in everything )