後生の一大事 ( A Serious Matter after Our Death )
「おいくつになりましたか」、「七十と二つになりました。毎日忙しく、お仏壇にもお寺にもお参りする暇がないんです」、「お元気でお仕事にがんばれることは、何よりもお幸せですね」、「日本人の平均寿命を八十歳としますと残すところ十年を割りますね」、「そう考えると、毎日忙しく駆けずり回っていることが、あほらしくなりますよ」。
ご門徒のお父さんのお話しです。
何事も不確かな世の中。あれやこれやと目まぐるしく、あわただしく過ぎ去って行く日々。
こんな中で、仏様にお参りする仏縁によって、私たちは「後生の一大事」に気づかせていただくのです。
「死」に思いをめぐらせ、生きる意味を考え、今日の一日をより充実させ、歓喜と報恩感謝で過ごせるようご縁をいただくのです。(金沢市 真宗大谷派聞名寺住職 小坂 央)
【 明日をひらく 『 一期一話 』 北國新聞社 】
「仏様にお参りする仏縁によって ”後生の一大事” に気づかせていただく」、とても重い言葉だと思います。仏縁がなければ、後生に一大事があることを知ることはないでしょう。
申すまでもありませんが、気づかせていただくからこそ、阿弥陀仏の本願に出遭い、浄土往生が定まるのです。