「心を改める」は人生に一度だけ( “ People Mend the Heart “ Is Only Once in the Life )
回心といふこと、ただひとたびあるべし(歎異抄)
「今日もイライラしてしまった。明日こそは穏やかな心でいよう」などと誓いを立てることは誰にでもあるでしょう。しかし、あらゆることに回心する(心を改める)のは「悪を断ち切って、善をおさめれば黄土に往生できる」という自力の考えであり、他力の教えに反するものです。
他力の教えにおいて、悪い心を改める「回心」はたった一度だけだと『歎異抄』には述べられています。自力から他力の教えに転換するときのことを指します。「生き方を変える」というのは、私たちの人生に何度もありません。しかし、それまで信じていた教えに疑問を感じ、新たな道を見つけたときこそ、人生を大きく転換させるときなのです。覚悟を決め、思い切って舵を切りましょう。
【 『 くり返し読みたい 親鸞 』 監修;釈 徹宗 リベラル社 】
他力の教えにおいて、「回心」は人生にたった一度だけあることであり、それは、自力から他力の教えに転換するときのことを指すのであると言われます。
この他力の教えに転換するときとは、仏願を疑いなく聞くときです。(『浄土真宗聖典』註釈版 第二版 )の(補註7)にはこのように書かれています。「聞といふは、衆生、仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし、これを聞といふなり」といい、名号のいわれを正しく聞き開いたことが信心であるといわれている」。
回心の意味を正しく捉えることが大切です。
回心;[仏] 邪心を改めて仏の正道に帰依すること(広辞苑)
回心といふこと、ただひとたびあるべし ( Change of heart occurs only once. )