お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

How to Get On in the World(処世術)

 往生のためには、わざと現実苦に汚れる必要もなく、また強いて、理想善を装う必要もない。宿縁にまかせるそのあるがままの姿に弥陀の悲願は最もよく感得せられるのだ。   
 親鸞なかりせば、人は法然のように清く、高く、独身、菜食にして、涼しく安らかに生活せねばならないのかと思うであろう。また法然なかりせば、人は必ず肉食、妻帯し、現実苦に捕えられて、むさくるしく、暑くるしく生きねばならないのかと思うかも知れない。法然は「汚れては助からぬ」とは一口も言わず、親鸞は「わざと汚れるな」と言うところに、両者の「宿縁の理解」が本物であることがあらわれて奥床しい。親鸞法然よりもこの世の塵労(じんろう)に囚(とら)えられたのは、決して親鸞の誇りではなく、ただ親鸞の業報である。   
 親鸞は「妻を持たずには念仏申されない」宿縁にまかせて妻帯し、法然は「独り居なくては念仏申されない」宿縁にまかせて、独身で暮らしたのである。  
 「念仏申さるるように生きる」という原則には実に深い深い意味があるのである。 
    【 「法然親鸞の信仰(下) 倉田百三) 】          

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 法然上人はこの世の過ごし方について「現世を過ぐべき様は、念仏の申されんように過ぐべし」と教えられています。上記は著者がこれを受けて書いたものですが、また次のようにも言っています。「『この世の渡りざま』についての法然の教えは実に尊い暗示を含んでいる。自分ごときはこの暗示によって、生活の根本態度を定めているのである。これは自分にとっては、実に生活の虎の巻ともいうべき尊いものなのである」。
(The teaching of St. Honen implies a really valuable suggestion about how to go
on in this world. I have decided a fundamental attitude to my life according to this
suggestion. This is a truly precious thing for me which should become a crib to
my life.)
 私もこの処世訓を著者に見習いたいと思っています。