The Cloud of Light(光り雲)
親鸞聖人の『浄土和讃』讃阿弥陀仏偈和讃の中に
光り雲のごとくして さはりなきこと 虚空のごとし
一切の有礙(うげ)にさはりなし < The cloud of light is unhindered, like open sky;
There is nothing impedes it. >
という和讃があります。
これについて、『闇を照らす光の言葉』の中で、淺田恵真師の次のような解説があります。
「雲とは太陽の光を遮(さえぎ)る障害物です。暗雲、黒雲です。しかし太陽が西のほうに沈むと、それまで障害物であった暗雲、黒雲が、沈んだ太陽によって照らし出されて、太陽の代わりに輝くのです。これが光り雲、茜の雲です。ここで「なるほど」と思いました。人生の暗雲、黒雲、障害物があったればこそ、悲しいことがあったればこそ、沈んだ太陽、目に見えない阿弥陀さまに照らし出されて、阿弥陀さまがそこにおられるということを教えていただくのです。障害物が光るのですから、「一切の有礙」という「よろずのさはりのあること」に、「さはりなし」となるのです。それが「光り雲のごとくして さはりなきこと 虚空のごとし」ということです。「なるほど」と感じさせていただいた次第です」
ここで、人生の暗雲が阿弥陀さまに照らし出されるのだと仰っています。私たちの苦しいこと、悲しいことが照らし出されて輝くのですから、苦しみや悲しみが解消されてしまうのですね。全て阿弥陀さまのお慈悲の働きです。淺田師は、きらきらと輝く光り雲の中に、「阿弥陀さまがそこにおられることを教えていただくのです」と仰っています。この言葉に、私の心の中もまた、光り雲のように明るくなるのです。