お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

The Ant and the Grasshopper(アリとキリギリス)

 かの有名なイソップ物語の話の一つに、“アリとキリギリス”の寓話があります。その概略は次のようです。                      
 「アリは、夏の間ずっと、冬に備えて食糧を蓄えるために一生懸命働きました。そのため、遊んでいる暇はほとんどありませんでした。一方、キリギリスは、働くことなく草むらを跳び回り、温かい太陽の下で歌を歌ったり、ダンスをしたり、とても楽しく過ごしていました。いよいよ冬が来ると、アリは食べ物が十分にあり、気楽に安心して過ごすことができました。ところが、キリギリスは何一つ食べ物がありません。アリの所へ行って、食べ物を恵んでくれるように頼みましたが、アリから、『あなたは、夏の間ずっと楽しそうに歌を歌ったり、踊ったりしていたんでしょ。夏の間に、やればできたことを、何一つしなかったんです。寒かったら、踊って体を温めなさいよ。あなたにあげる物は何もありません』と言いました」。                                     
 私は、長年、アリのような人生が正しいと思っていました。ところが、新聞や雑誌などで、「キリギリス的人生をよしとする」人たちの意見に何度か触れ、ちょっと考えさせられたことがあります。そんな折、お釈迦さまが、次の言葉を『中阿含経』という経典に、残しておられることを知りました。       
 過去を追うな( Don’t look back on the past. )
 未来を願うな( Don’t anticipate the future. )
 過去はすでに捨てられた( The past has already ended. )
 未来はまだやってこない( The future has not come yet. )
 ただ今日なすべきことを熱心になせ(Only do your best in what you should do today.)


 ここで言われていることは、「過ぎてしまった過去のことを思い悩んでも、まだ来ない明日のことを思っても仕方がない。大事なのは、今日という日を精いっぱい生きることである」ということでしょう。               
 この世は無常です。そして一寸先は闇です。世の中は“今”より他はないことを思えば、正にお釈迦さまのこの言葉は真理です。「今日一日を精いっぱい満足して生きる」キリギリス的人生が正解であることがわかります。ただ、キリギリスに欠けていたのは、アリのように努力することでした。だから、その「努力さえも、楽しんでする」ようにできれば、キリギリス的人生は、すばらしい人生になるだろうと思われます。