お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

The Probability to Be Born Humans(人間に生まれる確率)

 私が遺伝子の研究をやっていて強く感じたことは、DNAの暗号を書いたのは誰かということです。                                    
 DNAはA、T、C、Gという僅か4つの化学の文字(塩基)でしか書かれていない。しかし、その4つですべての生き物の体の設計図が書かれている。極めてシンプルですよね。真理というのはシンプルなんです。                          
 この設計図、一番目にA、T、C、Gのどれかが並ぶ可能性があり、次も4とおりのうちのどれか、その次も……。 人間の場合、これを32億回掛けていくんです。だから4の32億乗。                                      
 天文学的と言うより、超天文学的な確率の中から一人の人間が生まれてくるんです。だから偶然とはとても考えられないわけですね。人間業ではない。そのことだけは確かです。 
 その働きを人によって何と表現するかは違うけれども、私はサムシング・グレートと言っています。サムシングですから、まだよく分からないんです。             
 しかし、私自身、研究をとおして人知を超えた世界を垣間見ることができたのは、非常にありがたいことで、そうなると謙虚にならざるを得ません。              
 少々世界に先駆けて何かを発見したと威張ってみても、それは所詮人間として生まれたからできることなんです。生命の根源に畏敬し感謝こそすれ、傲慢になってはいけないと思いますね。(村上和雄筑波大学名誉教授)                      
      【(月刊誌)『致知』 2015年12月号 致知出版社 】           
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 超天文学的確率で一人の人間が生まれるということが、研究によって分かってきたことは素晴らしいことです。現代人には、このような研究結果から得られる事実は、前回書きましたお釈迦さまの、人間に生まれ難いことの譬えとして説かれた盲亀浮木の話が誠であると、インパクトを持って受け止められるのではないかと思います。           


 個人的には、もう二千数百年も前に言われたお釈迦さまの「人身受け難し」の言葉に、「仏語に虚妄なし」との思いを一層強くしています。( Personally, I further
strengthen my thought that there is no lie in the Buddha’s words for the phrase ‘It is
difficult to be born humans’ which was told by him as long as more than 2000 years
ago.)