お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

The Influence of a Name(名前の影響)

 アドルフ・ヒトラーと言えば、ナチスドイツの悪名高き独裁者です。先日の新聞によりますと、「アドルフ」というファーストネーム(名)は、第2次大戦が激化した42年を境に急に不人気に転じたと言われます。戦後も傾向は変わらず、「アドルフ」と名づけられたある人は、「学校でいじめられたので、名前の話はよほど親しい間柄の人しかしない」そうです。また、「ヒトラー」というラーストネーム(姓)を持つある人は、「この名前のせいで学校を中退、ろくな職につけず、結婚もしなかった」といいます。それに戦後は、ヒトラー姓の多くの人が偏見や迫害を恐れて改姓したといわれます。               


 ところで、この負の記憶遺産とも言えそうな人名とは真逆の、何か素晴らしい名前はないだろうかと考えてみたところ、日本には、「弥陀ヶ原」と呼ばれる高原名があることに気づきました。そこで、その名前の由来を調べてみました。「弥陀ヶ原」は、北アルプスに位置する立山(3015m)の麓(ふもと)に広がる広大な高原です。高山植物の宝庫であり、きれいなチョウも生息しているそうです。美しい自然と、立山が古来から霊山として崇められ、立山信仰で、仏教が栄えたことから、「阿弥陀仏の住む楽園」とみなされたことが、「弥陀ヶ原」の名前の由来だといわれます。                         


 それにしましても、アドルフの名やヒトラーの姓を持つ人は、生涯にわたりその姓名に苦しめられるとは驚きです。当人たちとは全く関係がないのに、世間からは、実在したヒトラーを強く思い起こされてしまうからでしょう。また、これとは逆の「弥陀ヶ原」は、直に阿弥陀仏を思い起こさせてくれる名前です。少し付け加えますと、弥陀ヶ原から7kmほど離れた所には「称名滝」と呼ばれる滝があります。滝の音が、称名念仏に聞こえたことから、この名前がつけられたといわれます。このようなことから、その一帯は、特に仏教信者には心地のよい場所に映るのでは… と思います。                    


 普段は、何気なく考え気にしませんが、私たちは名前によっては、良きにつけ悪しきにつけ、強い影響を受けるものです。たかが名前、されど名前です。            
( We don’t usually care about names, but some names will right or wrong have an
impact on us. It is only a name, but has something worth thinking about. )