To Live One and the Same Life(同じ一つの命を生きる)
以下①〜③の意味を調べてみました。
①仏性(ぶっしょう)(『広辞苑』)
[仏] 一切衆生が本来持っている仏としての本性。涅槃経「一切衆生悉有仏性」。
②仏種性(ぶっしゅしょう)
一切衆生が本来的に持っている仏性のこと。(『大無量寿経』上)
③衆生
一切の生物。一切の人類や動物。六道を輪廻する存在。有情。(『広辞苑』)
以上のことから、すべての衆生(生きとし生けるもの)は、本来、生まれながらに仏性(仏になる可能性)を持っていることが分かります。仏性は阿弥陀仏より授かったものです。ですから、すべての衆生は同じ一つの命(阿弥陀仏の命)を生きていることになります。
しかし、同じ一つの命を生きていると言いましても、阿弥陀仏の教えに出遭わなければ、六道輪廻の迷いの世界を経巡(へめぐ)ることになり、仏性は生かされません。唯一、仏教を聞ける人間界で仏の教えに出遭い、信心を得た上でのみ、仏性は生かされるのです。仏性を生かすも無駄にするのも私自身です。
人間に生まれてこそ、仏教が聞けることを念頭に置いて、誰もが仏の教えに出遭いたいものです。
以下は大峯顯師の言葉です。
「どの命もみな同じ一つの命の中で営まれ、その命を生きているのです(Any life of
all living things is being done in one and the same life, and it is living that life. )。鳥の命、私の命、それらはそれぞれ別々の個体の形の中にあるにもかかわらず、命であるというところでは何の変わりもありません。一つに溶けあい、垣根なく通じ合っています。その通じ合っているところを指して親鸞聖人は、『帰命無量寿如来』『南無阿弥陀仏』とおおせられたのでしょう」。(『命ひとつ__ よく生きるヒント』)より