To Save Beings with the Name（名前となって救う）
「我が弥陀は名を持って＊物を接したまふ。ここをもって耳に聞き口に誦（じゅ）するに、無辺の聖徳（しょうとく）、＊識心（しきしん）に＊攬入（らんにゅう）して、永く仏種（ぶっしゅ）となる」( Our Buddha grasps beings with
the Name. Thus, as we hear it with our ears and say it with our lips, exalted virtues
without limit grasp and pervade our hearts and minds. It becomes the seed of our
Buddhahood ever after.)
『教行信証』の中に引用されている元照律師の言葉です。阿弥陀様は南無阿弥陀仏という名前となって私たち衆生を救ってくださると言う意味です。如来は手ぶらですくわないんです。如来様みたいな偉い方なら手ぶらで救うかと思えばそうじゃなくて、名前となって救う。名前の内にこめられた無限の功徳が私たちの心と体の全体に入り満ちて、私を仏にしてくださる。そういう不思議な力が名号にこもっているということです。
【 『なごりをしくおもへども「歎異抄」第九条』 大峯顯 百華苑 】
∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽
「阿弥陀様は南無阿弥陀仏という名前となって救ってくださる」ということ。さらに、大峯師はこの「南無阿弥陀仏」という名前（言葉）について、「人間存在そのものを救うものは、いかなる意味でも、人間の力では作り出せない言葉、如来すなわち真理そのもののほうから発言した言葉だけです」（『命ひとつ__よく生きるヒント』）と仰っています。
つまり、「南無阿弥陀仏」という名前は、阿弥陀様が作られた言葉であるということです。従って、人間の作る名前とは異次元のものです。この世のいかなる名前とも次元が違うものであり、人間が作り出した名前ではありません。阿弥陀様が作られた無限の功徳がこめられた名前（名号）だからこそ、私たち衆生が救われるのである、と教えられます。
