Evil Companions(悪友)
親鸞の言葉63:悪友には気をつけろ
「つねに悪友(あくう)に随(したが)ふ」といふは、「悪友」とは、善友(ぜんぬ)に対す、雑毒虚仮(ぞうどくこけ)の人(にん)なり。(「つねに悪友に従う」というのは、悪友は善友に対する存在。毒まじりの善行を行う偽りだらけの人のことだ)。(『愚禿鈔』)
善友とは仏の道理を教えてくれ、導いてくれる人のことをいう。そして悪友とは毒まじりの善行を行う者、つまり自分のことしか考えていない人のことだ。
そういう人に出会った経験はないだろうか。口先ではよいことを喋るが、いざとなると自己保身に走るような人間に。世のなかには嘘や偽りが満ち溢れている。そのなかで真の友に出会えることはこのうえない幸せだ。自分の都合ばかり振り回す人には近づかないほうがよさそうである。
【 『親鸞100の言葉』 釈徹宗監修 宝島社 】 ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽
ここに書かれていますように、「世のなかには嘘や偽りが満ち溢れています」。このような中で、親友と呼べる友がいる人は幸せです。たとえその友が真宗の信者でないとしても、そう言えるでしょう。でもその人が真宗の信者なら、もっと幸せだと思います。信者同士なら、たとえ初対面であったとしても、お互いにずっと前から親しい友であったように打ち解けられるから不思議なものです。善友として、ともに仏の道を歩むことができます。
ところが世の中には、往々にして悪に身を染める人も多いものです。「朱に交われば赤くなる」という諺もありますように、悪友には気をつけなければなりません。
「つねに悪友に随ふ」といふは、「悪友」とは、善友に対す、雑毒虚仮の人なり。
( Concerning the phrase, “One constantly joins with evil companions”:
Evil companions contrasts with “good friend”; it refers to people of various
poisons and falsity. )