The True Cause of Nirvana(涅槃の真因)
親鸞の言葉04:ただ信じること
涅槃の真因は ただ信心をもってす。(悟りの境地に至るための本当の手立てはただ一つ、信心だけである。)(『顕浄土真実教行証文類』信文類)
弥陀の本願に「至心・信楽・欲生」とある。至心は弥陀の真実の心。信楽とは弥陀の救いの働きを疑うことなく信じる心。欲生とは弥陀が浄土へ生まれさせようとする心であり、往生が定まって安心した心。これを三心という。浄土真宗の七高僧である天親菩薩はこれらを合わせて一心としている。
つまり、つき詰めれば、弥陀の本願(人々を救うために起こした誓願)を信じ、すべてを阿弥陀仏におまかせすること、それが往生へと至る道なのだ。
【 『親鸞100の言葉』 釈撤宗監修 宝島社 】
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「涅槃」とは、「煩悩を断じて絶対的な静寂に達した状態。仏教における理想の境地」([広辞苑] )ということですから、上記にありますように、悟りの境地を表しています。その境地に至る方法は、ただ信心だけであるといわれます。
また、聖人は「弥陀の本願には、老少・善悪のひとをえらばれず、ただ信心を要とすとしるべし」(『歎異抄』)と言われ、ここでも信心一つが、老いも若きも、善人であろうが悪人であろうが、すべての人が救われる手段であると仰っています。
このことから、釈師が言われるように、「弥陀の本願をただ信じること」即ち、「すべてを阿弥陀仏におまかせすること」が肝要だと知らされます。
「涅槃の真因は ただ信心をもってす」
( The true cause of attaining nirvana is shinjin only. )