お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

Cause and Effect(因果)①

 仏教が説く因果は、自分の言葉や行動が巡り巡って再び自分を悩ますという形で現実化してくることを教えている。ことわざに「因果は巡る車の輪」とあるように、自分の蒔いた種が他人を通って再び自分に還ってくる。                      
 この世の人間関係はすべてそういう形をとるが、現代人はそのことに気付く自覚力や反省力が乏しくなっている。                             
 自分自身を反省する力が希薄になると、他人が自分を悩ませて痛めつけるという面だけが意識に上ってくる。自分を悩ませる原因は常に外部にあるという意識が強くなると、自分が他人を悩ませているという自覚がなくなる。いつも他人が悪いと考えて他人を責める。そして他人から冷淡にされたり批判されたりして自分自身が悩み苦しむことになる。自分が悩むのはもとは自分の無反省によるのだから、そのことを反省すべきであるが、もともと無反省だからそれができない。                            
 五濁の世では人間がとめどなく自己中心的になり、そのためにお互いに反省力が希薄になっている。人間関係には自分から相手を見るだけでなく、常に相手の立場から自分自身を見ることが是非とも必要である。                          
 古来、広く仏教徒に読誦されてきた『法句経(ほっくぎょう)』(ダンマパダ)は、「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う」という仏陀の言葉で始まる。この意味深い言葉は、現代のわれわれに深い反省を促し、生きる上の指針を示している。      
   【『五濁の時代に 念仏の導き(上)』 木村宣彰 北日本新聞社新書】      
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 ここに書かれています「因果は巡る車の輪」という諺が、因果関係を如実に示していると思います。類句に「因果の小車(おぐるま)」という諺がありますが、「悪い原因があれば悪い結果が小さな車輪がくるくる回るようにすぐにめぐりめぐってくる[故事ことわざ辞典]」ものだと言われます。                               
 とかく自分中心にしか考えられない私たちは、悪い結果がくると、すぐに他人のせいにしてしまいがちです( We can’t but think things centered on ourselves, so we
would be apt to accuse others when anything bad happens to us.)。現今の五濁の世では、特にこの傾向が強くなっていると言われます。「相手の立場から自分自身を見ること」また、『法句経』に説かれている「ものごとは心にもとづき、心を主として…………………. 苦しみはその人に従う」の仏陀の言葉等からは、まず自分自身を反省することの大切さを思います。