The Call of Amida Buddha(阿弥陀如来の呼び声)
学僧、原口針水師(1808~1893)は「われ称えわれ聞くなれど南無阿弥陀仏 つれてゆくぞの親のよび声」と詠まれています。必ずわが国(お浄土)へ生まれさせずにはおかないという、阿弥陀如来のご御本願のお救いのはたらきの確かさであります。
わたくしが「南無阿弥陀仏」とお念仏を称え、その称えた自分の声を自分の耳で聞きます。そのことすべてが、実は阿弥陀如来のわたくしに対するはたらきかけであるとよ ろこばれておられるのです。 【『「拝読 浄土真宗のみ教え」の味わい』藤井邦麿 】
「われ称えわれ聞くなれど南無阿弥陀仏 つれてゆくぞの親のよび声(Though I say
and hear Namu-amida-butsu, it is the call of the Parent saying “I will take you to Pure
Land.”)」。「南無阿弥陀仏」と私が称える念仏は、私が自ら称えているように思いますが、先手の阿弥陀仏といわれますように、まずは阿弥陀仏が称えられ、それが私に当たって反射したものなのです。そのことを妙好人の浅原才市さんは、「名号私に当たって南無阿弥陀仏」と歌っています。このように私が称え、そして聞いている念仏は、阿弥陀如来が私を浄土へ連れていくよと私に対して働きかけておられる如来の念仏なのです。誠に有り難いことです。