お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

長生きはいいこと? ( Is Longevity Good? ) 

 いたずらに百歳いけらんは、                          
 うらむべき日月(にちげつ)なり道元                  
 長生きすることはよいことだと思われています。平均寿命はどんどん延び、いまや人生百年時代ともいわれています。

しかし待ってください 。                   
 長生きは本当にいいことなのでしょうか。もしそうであれば、六〇歳で終わった人生は七〇歳よりも価値が低いことになってしまいます。             

 長生きした方がいいというのは、世間の勝手な物差しにすぎません。もし百歳まで生きたとしても、心が休まることもなく、自分を受けいれることができなければ、苦しい人生ではないでしょうか。この言葉で道元が指摘するのはそこです。

 いまこの一瞬をしっかりと生きる。そのためには余計な荷物は、どこかに預けてしまいましょう。あるがままの自分で、いまを楽しむ。その積み重ねがあってこそ、百歳の人生も楽しみになるのです。

【『老いを生きる仏教の言葉100』 ひろ さちや 成美堂出版】    

 古歌に、「世の中は 今よりほかになかりけり 昨日は過ぎつ 明日は知られず」という歌があります。この歌は「いまこの一瞬をしっかりと生きる」ことに重なります。「いたずらに長生きすることは本当に良いことなのかと問われているのです( We are asked whether it is truly good to live long in vain.)。」
 「あるがままの自分で、今を楽しみながらしっかりと生きる」、このような積み重ねがあってこそ、長生きする価値があるのですね。