今日の尊さを忘れない ( No Forgetting the Preciousness of Today )
私どもの宗派では、「仏法には明日はない」とよく言います。人間の命は壊れやすく、次の瞬間どうなるかわからないから、明日に延ばさず、今日、話を聞きましょうという戒めです。 (略)
自分のいのちは、遠い人類の祖先から受け継いできて与えられたものです。言い換えれば、自分でつくりだしたものではなく、恵まれたいのちであり、同様に、今日という一日も、今というひとときも、自分でつくりだしたものではなく、自分の外から与えられたもので、かつ、二度と来ないものです。
そう考えれば、せっかく恵まれたものを無駄にせず、今の尊さを大事にしたいと思うようになるでしょう。
【 『人生は価値ある一瞬(ひととき)』 大谷光真 】
「自分の命も、今日という一日も、外から与えられたものであり、自分が作り出したものではない。かつ、二度と来ないものです」。非常に重い言葉です。また、命は縁があれば、風前の灯火のようにはかないものであり、あっという間に消えてしまいます。
だからこそ、今日の尊さ、突き詰めれば、今の尊さを忘れないようにしなさいと諭(さと)されるのです。( Therefore, we are preached not to forget the preciousness of “today,” in conclusion, that of “now.”