わからないことは考えない ( Not to Think What We Don’t Know )
莫妄想(まくもうぞう) / 無業
人は明日のことを思って不安に心を乱したり、過去のことを思ってクヨクヨします。
しかしどれだけ悩んでも、答えが出てくるわけでもありません、いくら考えてもわからないことを考えること、それが妄想です。そうした妄想を考えるなというのが莫妄想―妄想するなかれという言葉です。
無業(むごう)禅師は、「莫妄想」と、誰が何を尋ねても答えていたといいます。
実際私たち目の前で起こることや、心のなかに湧き上がってくることに対して、「これは考える必要のあることか」「考えても答えの出ないものか」判断せずに考えてしまうことがあります。
いま自分にできることは何か。
考えるべきはまずそこです。老後が不安というならば、今自分にできることをしっかり考える。考えてもどうにもならないことはあきらめる。そう考えるだけでも、心は整理されるのではないでしょうか。
【 『老いを生きる 仏教の言葉100』』 ひろ さちや[監修] 】
辞書には、「妄想」の意味をこのように書かれています。「あり得ないことをあれこれ想像すること」。上記には「いくら考えてもわからないことを考えること」と、あります。このような妄想によって、どれだけ考えても答えは出ないのですから無意味なこと、と言わねばなりません。いま自分にできることは何か。
結論は、「考えてもわからないことは考えない」ことですね。( The conclusion is that
we shouldn’t think what we don’t know even if we think it deeply. )