人生の本質は単純である
世の中は食うて稼いで寝て起きて
さてそのあとは死ぬるばかりぞ / 一休
私たちは誰一人として同じ存在ではありません。だからといって、その人の価値が違うわけではありません。金持ちであろうが、貧乏人であろうが、つまるところ人生は「食べて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬだけ」だからです。
確かにお金があれば、最新の医療を受けることもできます。しかし、いずれは死ぬのです。
どんな人の毎日も、構造としてはみんなと同じ。いずれはみんな死んでしまう。それが肝に落ちるなら、他人をうらやみ自分を否定しそうになる気持ちも少しは軽くなります。他人の人生なんてどうでもいいのです。
それよりも、私たちは自分の人生を生きましょう。
「おい、いい夫婦だったなあ」
徳川夢声は、死の直前にそう言ったといいます。最後にそう言える人生を送りたいものです。 【 『老いを生きる 仏教の言葉100』 】
「おい、いい夫婦だったなあ」と最後の言葉を残して去った徳川夢声の人生は、いい人生だったと言えるでしょう。
でも、仏教の立場からしますと、この世に生を受けて、聞き難い仏教を聞き、阿弥陀仏の本願を聞きぬいた人達こそ、最も「いい人生だった」と言えると思います。
※ 世の中は食うて稼いで寝て起きて、さてそのあとは死ぬるばかりぞ。(The world is the place where we eat, make money, sleep, get up, and after that we only die. )