お慈悲のままに

日々、思ったことを綴っていきます~(ちょっと英語もまじえて)。私の趣味は‘英語を楽しむこと’です。その一環として少し英語を取り入れることにしました。

苦悩の多いこの世界も、捨てがたいもの ( This World Is Also Painful, but It Is Hard to Neglect It )

 久遠劫よりいままで流転せる苦悩の旧里はすてがたく、いまだ生れざる安養浄土はこひしからず候ふこと、まことによくよく煩悩の興盛(こうじょう)に候ふにこそ 歎異抄

 「はるか昔から今までずっと生死をくり返してきたこの苦しみに満ちた世界は捨てがたく、まだ一度も訪れたことのない浄土を恋しく思うことができない。これは、煩悩が盛んだからであろう」。この言葉は唯円親鸞の対話の一節です。

 親鸞は、「早く往生したいと思えず、少しでも病気になると死ぬのではないかと不安になるのも煩悩のせいである」とも述べています。当時80歳を超えてもなお、自分の心の内を素直にかたる親鸞の人柄が表れている言葉です。

 私たちは誰しも、煩悩など捨てることなどできず、病や死を恐れ、救いを信じることはできません。しかし、大切なことは、苦悩や葛藤をなくすことではなく、そうした自分の弱さをごまかさず、きちんと向き合うことです。

   【 『 くり返し読みたい 親鸞 』  監修;釈 徹宗  リベラル社 】 

 

 親鸞聖人は、自身の心の内を赤裸々に、包み隠すことなく語られた方でした。筆者の言われる通り、その人柄が表れています。また、私たちにとって大切なことは、煩悩具足の私たちは煩悩と戦うのではなく、「自分の弱さをごまかさず、きちんと向き合うこと」なのです。

 久遠劫よりいままで流転せる苦悩の旧里はすてがたく、いまだ生まれざる安養浄土はこひしからず候こと、誠によくよく煩悩の興盛に候ふにこそ 歎異抄

 「 It is hard for us to abandon this old home of pain, where we have been transmigrating for innumerable kalpas down to the present, and we feel no longing for the Pure Land of peace, where we have yet to be born. Truly, how powerful our blind passions are! 」