人が喜び、自分も喜ぶのがいい ( It Is Good that Peoples Are Glad and Also Oneself Is)
- 親鸞が一生貫いた「自利他利」の生き方
自分を犠牲にして、他人のために尽くして生きる。これが「他利」の人間学。
戦時中の話ではあるが、自分の命まで、国家のためにささげた。
戦後になった。こんどは、こんどは、自分の利益のために働く。「自利」の謳歌!たしかに「他利」の生活だけだと、だんだん心が病んで、生きるのがつまらなくなる。
逆に「自利の生活だけでも、目的や夢が思うように達成されず、悲鳴をあげだす。
自利他利の行成就(ぎょうじょうじゅ)す (教行信証)
親鸞は、金山の穴の中で生活している労働者や、山奥で働いている木こりや、炭焼きをしている里人たちの苦しみをなごませるため、説法して歩いた。穏やかな親鸞の声を聞いて、山の民も、里の民も喜んだ。その姿を見て、親鸞も喜び、心が晴れた。そのとき思った。「ああ、わたしは人も喜び(他利)、自分も喜ぶ(自利)人生を究めていこう…… 」と。「自利他利」の行動! 親鸞は、一生これを貫く。
【 (超訳)『 心に響く 親鸞の言葉 』 境野勝悟 三笠書房 】
文中、終わりの方の「ああ、わたしは人も喜び(他利)……… から「自利他利」の行動! 親鸞は、一生これを貫く」までの言葉には、とても感動します。親鸞聖人ならではの気持ちが伝わってきます。自身も、少しでも見習いたいものです。