一日でも早く幸福になる (People Ought to Become Happy as Soon as Possible )
- 外を見るな、自分の内側を見よ
美術的にすぐれた仏像を拝むことは、心を清らかにする、尊くすばらしい修行だ。
死者の霊を弔うことも、感謝する心を育んでくれて、これも尊くすばらしい。
しかし、親鸞の教えのギリギリのところを学びたいなら、この思考のパターンから ぬけて「仏」と「極楽」の真理を見つめ直さないといけない。
死後の極楽より、もっと大切なものは、生きているいまの現実の極楽ではないか?
死後の仏よりも、もっともっと大事なものは、いま、自分が仏になることだ!
見逃してはいけない親鸞の貴重な言葉である。親鸞は、念仏して、一日も早く自分が仏になれ! と叫んでいる。不安や焦りや怒りや憂鬱な心を、一心に念仏をして治め、安らかな楽しい心で、自分のため、人のために、「極く楽」に生きる仏になれ!
外を見るな! 自分自身に立ち返れ! 自分の内にこそ、仏は宿る。
【 (超訳)『 心に響く 親鸞の言葉 』 境野勝悟 三笠書房 】
確かに、ここに書かれているように、「死後の極楽より、もっと大切なものは、生きているいまの現実の極楽です」。死後、極楽浄土に生まれて、仏の身に生まれ変われるように今生に置いて救われていることは、言うまでもありません。
とかく、私たちは、一寸先は闇で、どうなるか分からない無常の世界に生きています。「念仏していそぎ仏になれるように」常に心がけましょう。