駄目な人間こそ正客(The Very Useless Fellow Is a True Visitor)
法敬坊に、ある人が、「あなたさまの教えをいただいてまいりましたが、いつも油断して、お聞きしたことが身につかないのが情けなくてたまりません」と、ふだん思っていることを打ち明けられた。すると法敬坊は、「そんなことを言ってはいけませんよ。それでは教えに背くことになります。教えには、「いつも油断し、教えに背を向けているような者をこそたすけよう」と、説かれているではありませんか」と教えられたと言われている。
【 現代語訳 『 蓮如上人御一代記聞書 』 高松信英 法蔵館 】
教えには、『いつも油断し、教えに背を向けているような者をこそ助けよう』と真剣に説かれ、また、だめな人間こそ正客である旨、説かれています。
阿弥陀仏の生まれ変わり(Newborn)
蓮如さまは阿弥陀如来の生まれ変わりだ、と言われるが、その根拠はたくさん挙げることができる。そのことは、前にも記しておいた蓮如さまがお読みになった「かたみには六字の御名をのこしおく なからんあとの かたみともなれ(私の遺言として南無阿弥陀仏の名号を残しておきましょう。私がこの世を去ってから御名を私だと思ってくれ)」という歌がある。これを見ても蓮如さまは、阿弥陀如来の生まれ変わりだということは明らかである。
【 現代語訳 『 蓮如上人御一代記聞書 』 高松信英 法蔵館 】
蓮如上人はこの世を去られてからも、南無阿弥陀仏となって戻ってこられるということでしょう。このことからも蓮如さまは、阿弥陀如来の生まれ変わりだということは明らかであるのです。